『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』来場御礼入場者特典 第11弾「原作者・吾峠呼世晴 描き下ろし鑑賞御礼メッセージボード」を見て、何だか作者に興味がわいたので調べてみました。
『鬼滅の刃』作者吾峠 呼世晴 (ごとうげ こよはる)氏のプロフィール
吾峠 呼世晴 (ごとうげ こよはる )1989年5月5日生。福岡県出身。
読切作品『過狩り狩り』(かがりがり)で、第70回JUMPトレジャー新人漫画賞(2013年4月期)で「佳作」を受賞。
デビュー作『文殊史郎兄弟』が『少年ジャンプNEXT!!』(集英社)2014 vol.2。
『肋骨さん』2014年、『蠅庭のジグザグ』2015年
初連載『鬼滅の刃』2016年~2020年
人物では、自画像は「眼鏡をかけたワニ」としているので、ワニ先生と呼ばれているそうです。性格については、「もたもた・拒絶・人見知り」とご自身のプロフィールに書かれているそうですが、初代担当の大西氏は「『鬼滅の刃』主人公・炭次郎の、『真面目な性格、誠実さ、強い責任感』に現れている」と言われています。
私は、初めて作者の名前を見た時、全く読めませんでした。それに鬼の名前もふりがな付けてもらわないと読めないです。自分としては、読書好きで漢字は結構知っている方だと思ってましたが、世の中にこんな漢字があったのかと驚いています。この漢字の名前は、由来や意味があって名付けられたのでしょうか?何だか不思議なネーミングです。それだけでも興味そそられますね。
その上、私は吾峠先生が男性だと思ってましたが、実は女性だそうで、はじめは少しビックリしました。自分がそう勝手に思い込んだのは、名前が男性みたいな事と、漫画の殺戮シーンがグロテスクに思えたのでそう思いました。
他の漫画家で、男性だと思っていた人に『鋼の錬金術師』の荒川弘先生がいます。北海道の酪農家出身、『鋼の錬金術師』連載中に妊娠出産しても一度も休載しなかったという、スーパーパワフルでバイタリティーのある方です。これだけでも尊敬しちゃいます。荒川先生も顔出しされず、自画像イラストが牛(ホルスタイン)です。なかなかユニークですね。
『鬼滅の刃』作者吾峠呼世晴氏の好きな作品は?
吾峠先生の好きな漫画について、「『ジョジョの奇妙な冒険』から『クレヨンしんちゃん』まで何でも好き」で特に荒木 飛呂彦作『ジョジョの奇妙な冒険』のファンで、他にも『銀魂』とミュージシャンの平沢進氏が大好きだそうです。平沢氏は三浦建太郎原作のアニメ・ゲーム『ベルセルク』シリーズの劇中歌や楽曲を制作された方で、吾峠先生は『ベルセルク』も好きだそうです。なんとなくわかる気がします。
『鬼滅の刃』が影響を受けている作品に、『ジョジョの奇妙な冒険』の中の「不死身の吸血鬼」や「波紋の呼吸」というモチーフに関連しているそうで、『銀魂』も大好きなことから、コメディ要素を好んで描くといわれています。
私が受ける『鬼滅の刃』のグロテスクな感じは、『ジョジョの奇妙な冒険』の感じに通ずるものがあると思います。私も週刊ジャンプ連載当初の頃、この作品を読んでなんとなく惹かれましたけど、だんだんグロテスクさが際立ったのでやめました。ちなみに私は、当時『魔少年ビーティー』が好きでしたね。もう何十年も前の話です。(笑)
『鬼滅の刃』連載までの経緯で、『バクマン。』(原作大場つぐみ・作画小畑健)を想起するのは私だけ?
吾峠先生は、高校3年生の時に初めて漫画作成に挑むも描けず、『日本昔話』『藤子・F・不二雄SF短編集』、『寄生獣』、『必殺仕事人』を参考にして描いたそうです。見よう見真似で描いて初投稿したら、新人漫画賞をとるなんて滅茶苦茶すごいじゃないですか。漫画の基礎が出来てなくても、意外性と構成力の才能を認められただなんて、ただ者ではなかったんですね。
才能はあるけれど、右も左もわからない素人をどうやってプロに育てあげるかが、担当編集者の腕の見せ所ですよね。思わず『バクマン。』を思い出してしまいました。真城 最高(ましろ もりたか)作画担当で、通称サイコー。高木 秋人(たかぎ あきと)原作担当、通称シュージン。それと敏腕編集者服部 哲(はっとり あきら)と共に様々な困難を乗り超えて行く、あんな風に紆余曲折を経て、連載へと必死の思いでたどり着いたんですねぇ。
初作品『過狩り狩り』について、初代担当の大西氏は、「ジャンプ志望の作家の中では珍しいタイプ。」と言われていましたが、それ故にジャンプの中で方向性を定めるのに苦労を余儀なくされたと思います。『バクマン。』も王道ではなく、邪道でスタートして方向性に悩んでいたし、やっぱり読者ありきで、幅広い年齢層に受けるためには、あまりマニアックになり過ぎると読者はついていけませんよね。
それで次の担当の片山氏が、『過狩り狩り』にあった「大正時代」「吸血鬼」「刀」という要素を盛り込むことを提起して、ネーム『鬼殺の流』(きさつのながれ)が出来たそうです。しかし主人公が盲目の隻腕で両足が義足で、「世界観のシビアさと主人公の寡黙さ」のため不採用でした。週刊ジャンプの漫画の主人公に、どうしてこんなキャラクター設定をするのか、私は不思議でならないのですが奇抜過ぎますよねぇ。
それからようやく、炭次郎が主人公の『鬼滅の刃』が誕生したそうです。いくら才能があっても努力なくしては達成できないし、でも努力しても報われない人もいるし、この違いは何なのでしょうかねぇ。

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