『鬼滅の刃』炭吉(すみよし)は、作品の中で炭治郎(たんじろう)の遺伝した先祖の記憶として登場します。
『鬼滅の刃』単行本21巻の「古(いにしえ)の記憶」について語りますので、ネタバレ注意です。
炭吉(すみよし)は、炭治郎(たんじろう)の先祖
炭吉は、炭治郎の戦国時代の祖先です。
竈門(かまど)の苗字が、戦国時代からの姓なのか?と考えていたら、『鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐』の中で、竈門炭治郎の項目に先祖の名前として、竈門炭吉と書いてありました。
炭吉は炭焼き職人と明言されていませんが、私は話の流れでそう思っています。
『鬼滅の刃』単行本22巻第191話と192話の前にある「戦国コソコソ話」では、縁壱がうたと暮らしていた家を、炭吉夫婦が見つけて住んだ事情が書かれています。
竈門家は代々炭焼き職人で、長男は「炭」の字を受け継ぐ名前なのかなと、私は勝手に想像しています。
炭吉夫婦がなぜ雲取山の中へやって来たのかは不明ですが、おそらく戦国時代なので住む所を追われたのかもしれません。
炭吉夫婦が見つけた頃は、人の住まないあばら家と化していましたが、それでも二人が住むには十分でした。
そんな中、炭吉夫婦は山で遭難した母子を助けました。
実はその母子は大名の妻と嫡男で、大名の留守中に跡目争いで命を狙われ逃げ出したものの遭難して危うく死ぬところだったという事でした。
気のいい親切な夫婦は、お礼なんていらないとお金を断わると、これまた律儀な大名夫人が大勢の大工を使わして、ボロ家を立派な家に建て替えてくれました。
炭吉の妻のすやこが「わらしべ長者」とはしゃいで言ってましたが、炭吉が「違うかな」とぼやいてました。
思わず「めでたしめでたし」と言ってしまう話ですね。
なんだか本当に日本昔話のような気がします。
原作者の吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)先生は、日本昔話が好きだったそうで、その影響もあるのかなと思います。
それはさておき、炭吉夫婦はこの通り正直で明るく親切な善良な人たちです。
その気質というか人柄というか、それも代々竈門家は受け継いで来たのかもしれませんね。
炭吉と炭治郎は、容姿がとても似ています。
額の痣がなければ、間違えてしまうくらいです。
炭治郎は、遺伝した先祖の記憶と言っていますが、私には前世の記憶のように見えます。
これに関しては、ものの見方や解釈の仕方でいかようにも言えるので、どれが正しいとか間違いかは言えませんが、私には炭治郎が炭吉の生まれ変わりのような気がします。
竈門炭吉と継国縁壱(つぎくによりいち)との出会いと関係について
炭吉と縁壱の出会いは、縁壱が鬼殺隊から追い出され、うたと一緒にいた懐かしい我が家へ戻ってみると、鬼に襲われ逃げ惑う炭吉夫婦を見つけ助けた時でした。
縁壱は、炭吉夫婦の命の恩人です。
その後臨月の炭吉の妻すやこが産気づくと、縁壱はとんでもない速さで産婆を呼びに行き帰って来ました。
翌日無事にすみれが生まれ、縁壱は自分の妻子に出来なかったことを、炭吉たちにしてあげることができて、救われたようです。(戦国コソコソ話より一部要約)
鬼殺隊を追放され天涯孤独な縁壱にとって、心の拠り所はうたと一緒に暮らした家の思い出だけでしたが、そこに住む炭吉家族が彼の心に安らぎと温もりを与えてくれたようです。
二年後に縁壱は、自分の身の上話を話したくて炭吉たちの家に訪れました。
その場面で、炭治郎は無惨との決戦で瀕死の重体となり、生死をさまよいながら炭吉の記憶を見ていました。
余談ですが、「遺伝した先祖の記憶」が、ずっと私は気になっていました。
私は炭治郎の前世の記憶ととらえていましたが、幽体離脱した炭治郎の魂が過去の炭吉の体に入って、ずっと知りたかった「日の呼吸の十三の型」を見たとも言えるし、どうなんだろうと考えました。
遺伝した記憶を忠実に解釈すると、DNAの遺伝子には確かに膨大な情報が蓄えられています。
臨死状態の炭治郎は、そこで眠っていた遺伝情報の開示された映像を見ているとも捉えられるし、この解釈に私の中ではモヤモヤしています。
さて話を戻して、縁壱の過去が悲し過ぎて、私は思わず泣いてしまいました。
炭治郎もあまりのことで絶句。
炭吉も沈黙。
縁壱の深く傷ついた心を癒してくれたのは、幼いすみれの笑顔でした。
縁壱にとって竈門家の人たちは、亡くなった妻以外で本当に心が通じる、心の内を話せる存在でした。
炭吉もすやこ、すみれも縁壱を家族同然のように接し、とても親しい関係でした。
竈門家は、なぜ耳飾りとヒノカミ神楽(かぐら)を受け継いで来たのか?
それなのに縁壱は、それ以降炭吉の家に来ることはありませんでした。
縁壱は竈門家を去る時に、母親からもらった大事な耳飾りを炭吉にあげました。
もしかしたら縁壱はいつ死んでもいいように、炭吉に自分の形見として渡したのかもしれないと、私は思ったりします。
炭吉は、縁壱の物悲しい後ろ姿に向かって叫びます。
「縁壱さん、後に繋ぎます」
「貴方(あなた)に守られた命で…俺たちが」
「貴方(あなた)は価値のない人なんかじゃない!!」
「何も為せなかったなんて、思わないで下さい」
「そんなこと絶対誰にも言わせない」
「俺が、この耳飾りも日の呼吸も後世に伝える」
「約束します!!」
縁壱は微笑んで「ありがとう」と答えました。
縁壱は無惨を殺せず逃がしてしまい、挙句に兄まで鬼になり裏切り者となって、鬼殺隊の仲間たちから酷く責められ切腹しろとまで言われ、心底辛くて苦しかったと思います。
そんな縁壱が自分の無力感、無価値感に責めさいなまれていた所を、炭吉がなぐさめ励ましてくれました。
あんなにいつも無表情か悲しそうな表情だったのに、パッと笑顔になったのだから余程縁壱は嬉しかったのでしょう。
私も炭吉に賛成です。
縁壱は無惨を討伐出来なかったけれど、討伐するための種を撒き育てました。
それは何百年とかかりましたが、命は繋がりその想いも繋がり続けて、最後ようやく大きく実を結びました。
「繋げる命」「繋がる想い」そうしてたくさんの命と想いが、絆として結び合い大きなことを成し遂げる原動力となる。
『鬼滅の刃』の根底に流れているメインテーマだと私は思います。
さて、耳飾りの他にも重要な日の呼吸のヒノカミ神楽についてですが、これはまた長くなるので別の記事に書きます。
もしご興味ありましたら、こちらへ☞ヒノカミ神楽
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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