『鬼滅の刃』の栗花落(つゆり)カナヲの悲惨な過去と、なぜ胡蝶しのぶとカナエを肉親と童磨に言ったのか、まともにしゃべれなかった理由についてくわしく解説していきます。
ネタバレ注意です!
カナヲの過去が酷い
カナヲは両親から虐待を受けていた
栗花落カナヲの幼少期は悲惨です。
『鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐』のカナヲの家系図を見てビックリ!
本当にこれだけ兄弟いたの?と、思うくらい書いてありました。
なんと兄7人姉7人、弟3人妹3人います!
一人の母親が、21人の子どもを産めるのかとツッコみたいところですが、まぁそれはともかく、カナヲは上から15番目の子どもでした。
(私としては、なにかの間違いではないかと思ってます)
『鬼滅の刃』19巻第163話にカナヲが、虐待を受けていたシーンが3コマあります。
長屋に住む父親がまだ幼い男の子たち3人を殴ったり、母親は一人を水桶に頭突っこむなどの児童虐待をしていました。
これだけ見て私の想像なんですが、カナヲの両親はもともと裕福だったのではと思います。
なぜなら、両親の着物姿はまともで、すり切れたりツギはぎなどなく、母親はきちんと花柄の帯で太鼓結びをして、柄のある着物を着ていて、子どもの着物も裾が切れたり汚れていますが、ずっと貧乏所帯だったようには見えません。
おそらくなんらかの不幸に見舞われて、財産を失い長屋に住むハメになったものの、両親はその現実に怒りまくり、子どもに八つ当たりをして暴力をふるったのだと思います。
カナヲの出身地は、東京府本所区(墨田区、向島)で、向島あたりは隅田川の観光名所で料亭や花街でにぎわっていました。
墨田区は、工業地帯として発展しました。
たぶんカナヲの両親は、ここで商売をしていたのでしょう。
カナヲの生まれたころは、まだ祖父母、またはどちらか健在で、もしかしたら使用人もいたかもしれませんね。
それが破産して、多くの兄弟姉妹のうち、年上の男の子たちはどこか工場で働いていたのかもしれません。
年上の女の子たちは、遊郭に売りとばされたと思います。
カナヲは小さくすぐ売れなかったので、働けない小さい子どもたちはムダ飯食いとして、両親のなぐる蹴るにあい殺されたんだと思います。
カナヲは生まれつき動体視力が優れて、親の動きをよく見て攻撃をかわしたので、ほかの兄弟たちみたいに死にませんでした。
泣くと暴力を受けるので、カナヲは泣かないようずっと我慢してきました。
カナヲは人買いに売られた!
その様子は『鬼滅の刃』7巻番外編と、アニメでは炭治郎たちが胡蝶屋敷で療養していた25話です。
カナヲは、ある日外にほうり出されたとき、プツンと音がして何もつらくなくなりました。
それまでは、お腹がすいた、悲しいむなしい、苦しいさびしいの日々でした。
カナヲの感情はプッツリ切れてしまい、すっかり心を閉ざしてしまいました。
なんとか両親の暴力をかわして生き残ったものの、結局は人買いの男に売られ、(たぶん遊郭に)連れていかれることになっても何も感じませんでした。
今では考えられませんが、昔は娘を身売りするのが当たり前にあったんですね。
カナヲとしのぶ、カナエとの出会いは?
カナヲは人買いの男に縄をくくられ、連れていかれているところで、胡蝶(こちょう)姉妹とばったり遇いました。
そのときのカナヲは、髪ボサボサ蚤だらけで汚らしい姿でした。
カナエがカナヲに名前をきくと、人買いの男が名前はなく親がつけてないと答えます。
このときカナヲは、名無しでした。
ここで私は、名前もつけない子がよくここまで育ったことが不思議でなりませんでした。
赤ちゃんのとき誰が、お乳を与えたのでしょう?
誰がおしめを替えたり、衣服を着せたのでしょう?
きっとカナヲや兄弟たちを育てた人は、生みの母親ではないと思います。
祖母か叔母か使用人か、大勢の子どもたちを世話した人がいたと思われます。
カナヲは何歳で、胡蝶姉妹と出会ったのか?
カナヲが何歳で売られたのか公式にはわかりませんが、胡蝶姉妹に会ったときカナエは花柱の羽織を着ていたので、おそらくカナヲは10~11歳くらいだろうと思います。
私が思うに、カナエは17歳で亡くなったので、花柱になったのは15~16歳くらいではないかと推測します。
しのぶはカナエ姉さんより3歳下で、14歳で蝶屋敷の主になりました。
童磨戦で亡くなったとき、しのぶは18歳です。
カナヲはそのとき16歳でした。
逆算していくと、しのぶが14歳のときカナヲは12歳。
カナエが15歳のときに会ったなら、カナヲは10歳。
カナエが16歳のときなら、カナヲは11歳となります。
カナエはじーっとカナヲを見つめて思案しているようでしたが、しのぶは即決でカナヲを買いました。
しのぶはいきなりお金をバラマキ、男から縄をひったくって、カナヲを連れて姉とともにダッシュして帰りました。
おっとりしたカナエとチャキチャキのしのぶの性格が、際だっておもしろかったです。
それからカナヲは蝶屋敷に住み、鬼に身内を殺されたほかの孤児たちと一緒に家族同然で暮らしてきました。
カナヲがしのぶ、カナエを肉親と思うのはなぜ?
『鬼滅の刃』18巻第158話で、カナヲは童磨に怒りをあらわにして、「よくも殺したな私の肉親を!!」と、心の中で叫びました。
カナヲと胡蝶姉妹は、血をわけた姉妹ではありません。
カナヲは実の肉親に捨てられ、胡蝶姉妹に助けてもらい、胡蝶屋敷で本当の家族のように育ちました。
だからこそ、「私の肉親」という言葉の想いと深さを私は感じます。
カナヲにとって、血のつながりより心のつながり。
カナヲに鬼畜のような両親に恨みがあるのかどうかよくわかりませんが、両親に対する感情さえもプツンと切れたと私は思います。
カナヲの誕生日は、胡蝶姉妹と出会った日の5月19日。
あの日二人がやさしくしっかりとカナヲの小さい手を握って、カナヲを絶望の淵から救い出してくれました。
カナヲはそのときのことが、心に焼きついているでしょう。
それでも、感情が切れて凍りついたカナヲの心は、なかなか解けませんでした。
医学用語の「凍てついた凝視(Frozen watchfulness)」でもあるように、実際虐待を受けた子どもの特徴で、表情を失い無感動な目をしています。
カナヲも無表情、無感動な目、ノーリアクション、まさに人形みたいでした。
胡蝶屋敷の女の子たち、神崎アオイや三人娘のきよ・すみ・なほは、みんな両親を鬼に殺され心が傷ついていました。
でも、やさしいカナエが少女たちを慰めて、自分と同じような蝶の髪飾りをつけてあげました。
カナエは本当に観音菩薩の変化(へんげ)の人だと、私は思いますね。
カナエが鬼殺隊に入ったのは、自分と同じような人を助けるためでもありました。
慈愛にみちたカナエは、胡蝶屋敷の少女たちや患者たちにとっても、慈母のような存在だったと思います。
カナエは父親に「重い荷に苦しんでいる人がいれば半分背負い、悩んでいる人がいれば一緒に考え、悲しんでいる人がいればその心に寄り添ってあげなさいと」言われたことを忠実に守っていました。
カナエ自身も本気で、「私は救いたい。人も鬼も」と決断して、鬼殺隊にはいり花柱にまでなりました。
ただその辺のやさしいお姉さんではありません。
カナエは自分の人生をかけてしていますが、気負うことなく自然体でしているので、もとから愛にみちた人なんだなと私は思いました。
こんなにやさしいお母さんのようなお姉さんに可愛がってもらったら、誰だってうれしくて懐いてしまいますね。
「愛こそすべて」と言いますが、愛されることがどれほど傷ついた人の心を癒し救うのか、私も身をもって体験しているのでよくわかります。
カナヲもカナエの慈愛の温かさにふれて、冷たく凍りついた心も少しずつ春の雪どけのように溶けていったと思います。
かたや、しのぶの方はカナヲのことを、「姉さん この子全然だめだわ」
「言われないと何もできないの」
「自分の頭で考えて 行動できない子はだめよ危ない」
「一人じゃできないのよ」と、姉カナエにプリプリ怒って訴えました。
カナエは明るくにこやかに、「じゃあ一人の時はこの銅貨を投げて決めたらいいわよ」と答え、表裏と書かれた銅貨をカナヲに渡しました。
「そんなに重く考えなくていいじゃない」
「カナヲは可愛いもの!」と言うカナエに、しのぶは怒って「理屈になってない!!」と言い返してました。
それでも、カナエは朗らかにカナヲに寄りそって、「きっかけさえあれば 人の心は花開くから大丈夫」
「いつか好きな男の子でもできたらカナヲだって変わるわよ」と言い切りました。
ホントにその通りなりましたね。
しのぶは姉カナエといた頃は、短気でけっこうズケズケ言う性格でした。
でも、姉カナエが亡くなってから、しのぶは姉を見習って、やさしく笑顔でふるまうようになりました。
カナヲに対しても、姉カナエのように可愛がったと思います。
『鬼滅の刃 風の道しるべ』の「花と獣」からみる家族の証
ライトノベル『鬼滅の刃 風の道しるべ』の第3話「花と獣」で、蝶の髪飾りをカラスにとられ泣いていたきよのために、カナヲが意外にも伊之助に怒って、「あの髪飾りは、ただの物なんかじゃない!姉さんとの―カナエ姉さんとの大切な思い出なの……家族の証なの」と言っていました。
以前カナヲは、傷ついて泣いていたきよを、やさしくなぐさめたカナエの姿を見ていました。
カナヲはカナエのことを、
「やさしさの塊のような人だった。
この世界のキレイなものあたたかいものを集めたら、この人になるんじゃないかと思えるぐらい、心根の美しい人だった。
血のつながらない自分たちを結びつけ、家族にしてくれたのはしのぶと―そして、カナエだ」と思っていました。
だからこそ、「カナエが皆にくれた蝶の髪飾りは、寄る辺ない少女たちにとって目に見える『証』だった」つまり、家族の絆の証だということなんですね。
カナヲにとって、「この髪飾りをつけているだけで、ここにいてもいいのだと、一人じゃないと、そう言われているような気持になれた」のでした。
※文中の「 」は、引用文です。
このように見ていくと、カナヲが童磨にむかって「妹だ」と言ったことも、「よくも私の肉親を」と思ったのも理解できます。
家族を血のつながりだけで、とらわれる必要はないと思います。
人それぞれとらえ方や、境遇で変わります。
話せなかったカナヲが、話せたエピソードは?
カナヲがまともに話せるようになったのは、炭治郎との出会いからです。
『鬼滅の刃』7巻第53話に描かれています。
それまでカナヲは胡蝶屋敷に来たころ、自分の考えや感情すら出せずに、ただいるだけでした。
カナヲは来てしばらくは、自分の考えを聞かれるとパニック(騒ぐパニックではなく、汗だくになって固まる) を起こすこともありました。
(『鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録・弐』の大正コソコソ噂話より抜粋)
いつも指示待ちで、自分から行動しようとせず、人としゃべることもあまりありませんでした。
そんなカナヲは、カナエからもらった銅貨を使い、手元で投げ裏と表どちらか出た面で、どうするかを決めていました。
深刻なトラウマを負ったカナヲでしたが、優しい胡蝶姉妹にかわいがられ、蝶屋敷の人たちと楽しく暮らしていくうちに、少しずつ自分の意志で行動できるようになっていきました。
カナヲは見よう見まねで花の呼吸が使えるようになり、最終選別には無断で参加しました。
カナヲは鬼に家族を殺されたアオイやきよちゃんたち、両親や姉、継子たちを亡くしたしのぶを見ていて、鬼を許せないという気持ちが強くなっていったと思われます。
これは間違いなくカナヲの意志でした。
(『鬼滅の刃』19巻の大正コソコソ話より)
こうしてカナヲは、自分の意志で行動できるようになりましたが、それでもなかなか人とのコミュニケーションができませんでした。
炭治郎が任務のため、カナヲにお別れのあいさつをしたとき、カナヲは銅貨を投げて炭治郎と話すかどうか決めて答えました。
炭治郎は銅貨が気になって質問しても、カナヲは「さよなら」と答えましたが、炭治郎は気にせず屈託なく聞くと、「指示されてないことはこれを投げて決める」とカナヲは答えました。
炭治郎はカナヲから銅貨を借りて空高く投げて、「表が出たら、カナヲは心のままに生きる」と勝手に決めて表がでたので、炭治郎は勢いよくカナヲの両手を握り、
「頑張れ!!」
「人は心が原動力だから」
「心はどこまでも強くなれる!!」と励まして言い、笑顔で去っていきました。
呆気にとられたカナヲでしたが、その言葉を真に受けてそれ以来、銅貨はカナエが生前作ってくれた思い出箱にいれたそうです。
(『鬼滅の刃公式ファンブック鬼殺隊見聞録』の大正コソコソ噂話より)
そうしてカナヲは、自分の心の声をよく聞いて行動するようになりました。
『鬼滅の刃』7巻番外編で、カナエが「いつか好きな男の子でもできたらカナヲだって変わるわよ」と言ったセリフの横に、炭治郎が描かれてました。(笑)
最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
炭治郎とカナヲの二人の関係について、詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。
☞「鬼滅の刃炭治郎とカナヲなぜ結婚?子どもやプロポーズはあった?」

ほかにも、カナヲと伊之助の童磨戦について、詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
☞「カナヲと伊之助の童磨戦は、最後どうなった?カナヲの煽りセリフ!」

カナヲの苗字やプロフィールについて、詳しく知りたい方は以下のページをご覧ください。
☞「栗花落カナヲが鬼殺隊に入った理由、苗字の由来やプロフィールは?」



コメント