胡蝶しのぶの悲しい過去と笑顔の秘密、悲鳴嶼行冥との関係は?

鬼滅のキャラクター

『鬼滅の刃』のキャラクターたちは、たいてい悲惨な過去の人が多いなか、胡蝶しのぶも御多分にもれず不幸な過去でした。
鬼に両親を殺されてから、しのぶの人生は一変しました。
胡蝶家が鬼に襲われたとき、悲鳴嶼行冥(ひめじまぎょうめい)に姉妹は助けてもらいました。
そのエピソードやしのぶの笑顔の秘密というか、いきさつについて詳しく解説します。
ネタバレ注意です!

胡蝶しのぶの悲しい過去のエピソード

胡蝶しのぶは両親を鬼に殺された!

しのぶの両親は、やさしく勤勉で誠実で、娘たちを心から愛していました。
『鬼滅の刃』17巻第143話で、幼い胡蝶姉妹と両親は幸せに暮らしていたとき、突然鬼が家に襲いかかり、両親は殺され血まみれのなか、悲鳴嶼が飛び込んでなんとか姉妹は助かりました。

しのぶとカナエは幸せが当たり前だと思っていましたが、破壊されて初めて幸福が薄いガラスの上に乗っていたものだと気づきました。
悲鳴嶼が自分たちを救ってくれたように、まだ破壊されていない誰かの幸福を、強くなって守りたいと思い、しのぶと姉のカナエは、涙ながらに指切りげんまんをして約束しました。
「鬼を倒そう。一体でも多く」
「二人で私たちと同じ思いを、他の人にはさせない」と。

カナエとしのぶが何歳のときに、鬼に襲われたのかは不明です。
おそらくカナエは11歳か12歳くらい、しのぶは3つ年下だから8歳か9歳くらいではないかと思います。
ライトノベル「片羽の蝶」の胡蝶姉妹の様子、話し方やイラストを見て、なんとなくこのくらいかなと思いました。

胡蝶姉妹はきちんと両親の葬式をして、もちろん身内や近所の人たちに助けてもらったでしょうが、その後二人は約束を果たすために悲鳴嶼のもとへ訪れました。

胡蝶しのぶの姉・カナエは、童魔に殺された!

姉のカナエが殺されたとき、童磨は名乗らなかったようで、上弦の鬼・弐だけしかわかりませんでした。
十二鬼月は目に上弦、下弦と数字が書かれているので、目を見ればわかります。

おそらくカナエが童磨と遭ったとき、道ばたで若い女性をむさぼり喰っていたのでしょう。
しのぶが童磨と会ったときも、数名の女性の死体のなかで腕を食べていました。
妓夫太郎が童磨に会ったときも、童磨は死んだ遊女を背負って食べていました。

だから、カナエは童磨の女性の食べ方や話す内容から察して、しのぶに「女を喰うことに異様な執着があり意地汚ならしい」と言ったのでしょう。
相変わらず童磨は、余裕しゃくしゃく遊び半分でカナエと戦い、ニコニコ笑いペラペラしゃべりながら楽しんで、カナエをあの鋭い対(つい)の扇で殺したと思います。

カナエが童磨に殺された時、ちょうど朝日がのぼったので、カナエは食べられずに済みました。
もしかしたら、童磨はおしゃべりするのに夢中で、夜が明けてしまったのかもしれません。

とにかく、カナエは食べられずにしのぶと話ができ、ちゃんと葬式もしてもらえたので、まだよかったというか、食べられるよりずっとマシですよね。

カナエは童磨に殺されても、童磨を気の毒だと言っていたから、私は驚きました。
自分を殺した相手まで、思いやることなんてないのに!
本当にカナエは、観音菩薩さまだと私は思ってしまいます。

「カナエは17歳で亡くなり、しのぶは14歳の時にカナエに代わって蝶屋敷の主人になり、蝶屋敷の女の子たちを分け隔てなく実の妹のように可愛がり、カナエの葬儀の後妹たちの前ではいつも笑顔でした」(『鬼滅の刃』19巻掲載の大正コソコソ話より要約)

胡蝶しのぶとカナヲの出会いは?

『鬼滅の刃』7巻番外編で、胡蝶姉妹とカナヲの出会いが描かれています。
この時のしのぶは、ツンとした感じでした。
人買いの男がカナエに手を出そうとすると、しのぶは横から男の手を払い、「姉さんに触らないでください」と睨みつけながら言います。

しのぶの勝気なのがよくわかりますが、何人だろうと姉さんに乱暴するものは許さないという想いが伝わってきて、しのぶの大好きな姉さんを私が守るというような気迫すら私は感じてしまいます。

まぁそれはさておき、話を戻します。

「このガキとお喋べりしたきゃ金を払いな」
「じゃあ買いますよこの子」と、しのぶは即決。
「これで足ります?」と言って、有り金をバラまき男から縄をひったくって、カナヲと姉を連れてダッシュして帰りました。

カナヲを見て躊躇(ちゅうちょ)するカナエと違って、しのぶは即断即決でカナヲを助けました。

しかし、カナヲは虐待をうけ感情や思考がなくなってしまい、言われないと何もできなくなっていました。
そんなことは知らず、しのぶはカナヲが言われないと何もできないことをカナエに訴えますが、

「まあまあそんなこと言わずに、姉さんはしのぶの笑った顔が好きだなあ」と言って、カナエは取り合いません。

「自分の頭で考えて行動できない子はだめよ危ない」
「一人じゃできないのよ」と、しのぶはムキになって言いますが、

「じゃあ一人の時は、この銅貨を投げて決めたらいいわよ」
「そんなに重く考えなくていいじゃない」
「カナヲは可愛いもの!」と、カナエはニコニコ笑いながら答えます。
「理屈になってない!!」と、しのぶは更に怒っていました。

ほんわかカナエの笑顔とやさしさが溢れていて、しのぶはすぐムキになり短気でしたが、カナヲは胡蝶姉妹に愛されて大切に育ててもらいました。

胡蝶しのぶの笑顔の秘密は?

なぜ怒っているのに笑顔なのか?

『鬼滅の刃』17巻第143話で、蝶屋敷で機能回復訓練をしていた炭治郎に「怒ってますか?」と聞かれた時、そのときは「私はいつも怒っているかもしれない」と答えていたしのぶでしたが、童磨と戦っているときは、「そう 私怒ってるんですよ。炭治郎君」
「ずっとず―っと怒ってますよ」と怒りをあらわにしていました。

しのぶは愛する両親や姉も殺され、カナヲ以外の三人の継子も殺され、蝶屋敷の女の子たちの身内も鬼に殺されました。

『鬼滅の刃』6巻第50話で、しのぶはなぜ怒っているのか理由を炭治郎に話しました。抜粋すると以下の通りです。

「鬼に最愛の姉を惨殺された時から、鬼に大切な人を奪われた人々の涙を見る度に、絶望の叫びを聞く度に、私の中には怒りが蓄積され続け膨らんでいく」
「体の一番深い所にどうしようもない嫌悪感がある」

「私の姉も君のように優しい人だった」
「鬼に同情していた。自分が死ぬ間際ですら鬼を哀れんでいました」
「私はそんなふうに思えなかった」
「人を殺しておいて可哀想?」

「そんな馬鹿な話はないです」
「でもそれが姉の想いだったなら、私が継がなければ、哀れな鬼を斬らなくて済む方法があるなら、考え続けなければ」
「姉が好きだと言ってくれた笑顔を絶やすことなく」と、しのぶは言いました。

律儀で真面目なしのぶだと、私は思いました。
大好きな姉の想いを継ぎ、姉の「しのぶの笑った顔好きだなあ」の言葉に応えるため、ひたすら笑顔でいたしのぶ。

しのぶは姉カナエが亡くなる前は、四角四面な人でしたが、優しい朗らかな態度になったのは、姉の想いを継ぎたい一心で演じていたのでした。

よくここまで自分の心とは、裏腹にやって来れたなぁと私は感心してしまいます。
鬼に対する増悪がつのるばかりなのに、一生懸命お姉さんのようにしようとしていたら、疲れるどころか、通常の人だったら心と体がおかしくなってしまいますよ。

ホントにしのぶは、すごい忍耐力のある人だなと思いました。
こんなに無理しているから、当然毒舌にもなるはずです。

本心からの笑顔でなくても、しのぶは傷ついた人にとてもやさしいし、やっぱり少しでも笑顔の方が、昔のしのぶよりずっといいと思います。

胡蝶しのぶと悲鳴嶼行冥の関係は?

ライトノベル吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)・矢島綾著『鬼滅の刃 片羽(かたは)の蝶』に、なぜ胡蝶姉妹が鬼殺隊に入ったのかが書かれています。
これを読めば、胡蝶しのぶの性格が昔は違っていたのがわかるし、姉カナエが鬼をも救いたいという気持ちもわかります。

「片羽の蝶」の作品は、胡蝶姉妹や悲鳴嶼のことがよくわかるので、ぜひこのライトノベルを読まれることをお勧めします。
以下、作品の文章を抜粋、または要約して解説します。

胡蝶姉妹は鬼から助けてくれた悲鳴嶼にお礼と、鬼狩りの方法を教えてもらうために悲鳴嶼の所に行きましたが、悲鳴嶼自身も沙代に裏切られ傷だらけの心だったので、少女たちに関わることを拒絶していました。

しかし、胡蝶姉妹はひるまずに勝手に家の手伝いをして、なんとか悲鳴嶼の家に居座ろうとします。
悲鳴嶼が「家へ帰れ」と言うと、しのぶは「帰る家なんてない」
「全部、なくなった。残ったものも捨ててきた。もう、何にもないわ。私には姉さんだけ…」と反論しました。

しのぶの父親は、薬の調合をする薬師で生計を立てていたようです。
だから、しのぶは薬学に通じていました。
胡蝶姉妹の家業は誰か引き継いだのでしょうが、彼女たちは鬼狩りになるべく家を出てきたようです。

「もう何もない。私には姉さんだけ」という言葉に、しのぶのやるせない思いと悲しみ、苦しみがつまっていて、この世でただ一人愛する姉だけが、しのぶの心のよりどころだと私には思えました。

悲鳴嶼は頑として、胡蝶姉妹の願いを受け入れず、しのぶに「普通の娘として幸せに生きろ。好いた男と結婚し、子を産み、しわくちゃになるまで」と言うのをしのぶはさえぎり、
「目の前で父さんと母さんを殺されたのよ!?
それで、何もなかったように生きれると思う!?
できるわけない……できるわけないじゃない!!
普通に生きることが幸せなの!?
自分を騙して、忘れたふりして暮らすのが幸せなの!?
そんな幸せなら私はいらない!!
そんなの死んでるのと同じじゃない!!」と叫びました。

悲鳴嶼はそれでも説得しようとしますが、しのぶは泣きだしそうな声で反論して、その場から駆け去りましたが、しばらくして山菜とキノコを採って戻ってきました。
そして、それを晩ご飯にして、胡蝶姉妹は悲鳴嶼と囲炉裏をかこんで食事をして、そのまま泊まることになりました。

その夜、何度かしのぶが大きな声を上げ飛び起き、「父さん、母さん」と言うや絶叫して、「鬼が、父さんと母さんを!」と悪夢なのか、フラッシュバックなのか、しのぶは血を吐くような叫びをあげ、カナエが必死に抱きしめ宥めていました。

それでも、朝になるとしのぶは元に戻り、姉と一緒に朝ご飯をつくって悲鳴嶼とたべました。
それが三日続くと、さすがに悲鳴嶼も音をあげました。
四日目の朝、悲鳴嶼は胡蝶姉妹を家の裏に連れて、巨大な岩を動かすよう試練を与え、それが出来れば育手を紹介すると言うと、しのぶは出来るわけないと怒ります。

しかし、悲鳴嶼は「出来る出来ないではない。出来なくとも、やらねばならない。力が及ばずとも、何を犠牲にしようとも、己のすべてを賭してやり遂げろ」
「鬼狩りになるというのは、人の命を背負うというのはそういうことだ」と厳しく言いました。

それから、悲鳴嶼は任務のため家を出て、久しぶりに帰宅すると、胡蝶姉妹はまだ大岩のそばにいて、悲鳴嶼は近寄ると岩の位置が変わっていることに気づき絶句。
しのぶは悲鳴嶼の手を取り、硬い棒をそっと重ねると、悲鳴嶼はテコであることがわかり、ようやく二人を認めてそれぞれの育手を紹介しました。

胡蝶姉妹ははじめ悲鳴嶼から相手にされなかったですが、食い下がり悲鳴嶼の試練を突破し、それぞれ別々の育手のもとで訓練し、最終選別も合格し、不屈の精神で鬼殺隊にはいりました。

悲鳴嶼は当時しのぶのことを怒りの感情を爆発させる時や、悪夢にうなされ泣き叫ぶ時以外は、実に子供らしい子供、コロコロと表情が変わる声音はしのぶのまっすぐな気性をそのまま表しているようで、微笑ましく思っていました。

そして月日が流れ、柱稽古についての柱合会議が終わって、しのぶが悲鳴嶼に話しかけてきたとき、悲鳴嶼はしのぶから亡きカナエを感じました。
カナエが死んでから、しのぶは変わり、しのぶは姉のすべてを模倣し、血を吐くような修練の末に、柱まで上りつめました。

そんなしのぶに悲鳴嶼は内心では、「(お前は…そうしなければ、生きれなかったのか)それほどまでに、辛かったのか。それほどまでに、苦しかったのか」と思っていました。

悲鳴嶼はしのぶと会話し、しのぶと別れ際に、ふともう二度と会えないような気がしたので、生き急ぐな――そう言おうとし、すんででそれを飲み込みました。
しのぶとカナエは本当に仲の良い姉妹で、お互いを心の底から想い合い、労わり合い、信じ合い、いっそ自分自身よりもお互いを大切にしていました。
姉の仇を討つことだけを胸に日々を生きているだろうしのぶに、それを止めろという権利など、この世の誰にもありはしないと悲鳴嶼は思いました。

悲鳴嶼はしのぶの苦しみを誰よりも感じ取っていましたが、彼自身口下手で、教えるのも下手ですから、直接しのぶに言うことはありませんでした。

「片羽の蝶」と言うように、しのぶは姉のカナエと共に生きていることで完全であり、カナエを失ったしのぶでは、羽を一つもぎ取られた蝶のようなものです。
だから、必死で失ったカナエの分も自分で演じて、一人二役でしのぶはポッカリ空いた心の穴を埋めようとしたのだと、私は思いました。

しのぶには、復讐しかなかったと思います。
怒りと憎しみが起爆剤となって、自分を奮い立たせ柱まで上ることが出来たのだと思います。

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。
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